北京~モスクワ 第3/4国際列車

第3/4国際列車-ロシアの駅(蒙露国境~バイカル湖)

ドゾルヌゥイ

  • 第3列車 第二日 17:38着 18:03発
  • 第4列車 第五日 16:51着 16:54発
  • ●モスクワと現地時間との時差は5時間

 普通ロシアに於けるモンゴルと国境駅と言ったらナウシキの事を指します。一般の時刻表でもスフ=バートルの次はナウシキです。が、唯一乗車列車内の時刻表に、このドゾルヌゥイの表記と時刻があったので、ここに記してみます。
 時刻表には載っていますが、駅というよりも信号場で客扱いはしません。モンゴルの国境を抜けた列車は、探照灯によって煌々と照らされた操車場に到着。まったくの暗闇の中に明るく照らされた列車が停まっていると想像していただければ良いです。ここで、国境警備員によって列車の屋根が調べられます。モンゴルからの不法入国者がいないか調べる為です。静寂が支配する空間で、屋根が靴音でコツコツと鳴るのはとても不気味。その後車内に出入国管理員と税関吏が乗ってきて、列車の出発と共にチェックが始まります。
 ちなみに、夏季のみ運行らしい「ウラジオストクーウラン=バートル」という列車があり、この列車はドゾルヌゥイで出入国審査を行うようです。

ナウシキ

  • 第3列車 第二日 18:14着 22:01発
  • 第4列車 第五日 13:08着 16:40発
  • ●モスクワと現地時間との時差は5時間

 ロシアのモンゴルとの国境駅。が、国境審査自体はドゾルヌゥイから走る列車の中で始められます。ここの停車時間は4時間弱。時刻はモスクワ時間で表記されますが、現地時間との時差は5時間で、実質的には真夜中です。
 ロシアの国境審査は、中国やモンゴルとは比べ物にならない位に緊張感があります。それでも昔と比べて軽くになったようですが。出入国管理官は二人。後のモスクワ=シュレメチボ空港もそうだったのですが、この国の出入国管理官は女性の仕事であるようです。一人はお決まりのパスポートコントロールで、立たされてパスポートと照合、もう一人はその間にコンパートメントを見渡した後、天井裏も入念にチェックします。概して出国よりも入国の方が何処の国も厳しいですが、この入国審査は現地時間の深夜であるため、精神的苦痛(不気味なプレッシャー)も併せて与えてくれます。税関審査も書類を細かく見られますが、荷物を調べられることはありませんでした。正確な申告が必要で、書類は出国まで所持し、出国時に税関で渡すことになっています。現実は、シュレメチボ空港に限っては殆ど審査がザルに近いので、この空港から出る場合、書類を無くしては万一の時にまずいですが、それ程神経質になることは無いでしょう。が、陸路でウクライナ、フィンランド等に抜ける際はご注意。陸路出国は依然として細かく荷物を調べることがあるようです。(ロシアとベラルーシでは審査一体のため、ロシアとベラルーシの国境では出入国審査、税関審査はありません)
 第3列車は深夜の停車の為か、この駅での両替は出来ません。というより駅は真っ暗。下車客も皆無。ドアは締め切り。ホームでは銃を持った兵隊が歩哨をしており、とても列車を降りられる雰囲気ではありません。管理官に両替所はあるかと尋ねたところ、そんなことを想像するお前の頭が信じられない、といった感じで「ニェット!」(No)と断言されました。そんな訳で、審査が終わったら早々に寝るに限ります。
 この駅で、モスクワ行の寝台車2両と、食堂車が連結されます。ロシア国内のみを利用する乗客はこのロシア車に乗せさせられます。

ウランウデ

  • 第3列車 第三日 2:15着 2:38発
  • 第4列車 第五日 8:03着 8:33発
  • ●モスクワと現地時間との時差は5時間

 中国、モンゴルから来た線路がシベリア鉄道の本線と交わる駅です。ブリヤート自治共和国の首都で、この街で降りる乗客も少なからずおります。
 第3列車は深夜に国境を抜けるので、実質的なロシアはこの街から始まると言っても良いでしょう。もっと書くべきことがあるのでしょうが、この街で勿論目は覚めたのですがすぐに寝に入ってしまったので、殆ど印象がありません。

スリュジャンカ

スリュジャンカ
  • 第3列車 第三日 7:19着 7:21発
  • 第4列車 第五日 3:12着 3:22発
  • ●モスクワと現地時間との時差は5時間

 バイカル湖畔の町、スリュジャンカ。
 ずっとバイカル湖沿いを走ってきた列車は、この駅より峠越えに入ります。旧線はバイカル湖畔沿いに走りアンガラ河の河口からイルクーツク方面に向かっていましたが、ダム建設の影響により峠越えルートに切り替えられました。この峠越えの迫力がすごい。ループ線は無いものの、大Ωカーブの連続で山肌を登って行きます。第3列車の場合、車窓の右手にこれから登っていく線路や、通ってきた線路が見えます。眼下のバイカル湖は絶景。

イルクーツク

イルクーツク駅
  • 第3列車 第三日 9:25着 9:44発
  • 第4列車 第五日 0:41着 1:04発
  • ●モスクワと現地時間との時差は5時間

 アンガラ河のほとりに位置する都市、イルクーツク。日本人にとってシベリアの代表的な街は?と尋ねたら多分この街をあげる人が最も多いのではないでしょうか?
 19世紀始めにシベリア総督府が置かれるなど東シベリアの中心として古くから栄えました。「シベリアのパリ」とも称されています。
 日本のシベリア旅行ですと、北京やウラジオストクから一気にモスクワには行かず、大抵このイルクーツクで一息入れます。ウラジオストクからは3泊4日、北京からも2泊3日で丁度中間。この街からモスクワへはロシア号かイルクーツク始発のバイカル号がほぼ交互に毎日運行されており、日程も組みやすいのでしょう。バイカル湖観光の起点ともなる街で、夏のシーズンなら気持ちよい観光が出来そうです。冬は当然のようにアンガラ河が凍り、空もどんよりとし、シベリアならではの「美しい冬」を堪能出来ます。

イルクーツクソルト

  • 第3列車 第三日 9:58着 10:07発
  • 第4列車 第五日 0:15着 0:27発
  • ●モスクワと現地時間との時差は5時間

 イルクーツクと名前のつくもう一つの駅が、このイルクーツク=ソルトです。といっても中国語表記のように、駅というより操車場。機関車の付け替えの為に存在する停車場で、かの有名なロシア号やイルクーツクとモスクワを結ぶバイカル号も、この駅に停車します。第3列車については、停車はするけれども客扱いは行いませんでした。このように客扱いをしない停車場が、ロシア国内にはいくつか存在します。いわば運転停車なのですが、客扱いしなくても時刻表には載るのが不思議です。

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