北京~モスクワ 第3/4国際列車

第3/4国際列車-シベリアを走る列車

列車の種類について

 ロシアの長距離列車には以下の三種があります。列車の項で「特急扱い」「急行扱い」「準急扱い」と指す等級は、ロシア語では以下の通りになります。

●Скоростной(英訳:Firm fast)

 特急列車です。一応最優等列車ですが、時刻表上ロシア号を第4列車が追い抜かすこともあり、必ずしも最速であるということではないようです。車両は間違いなく良いです。

●Скорый(英訳:Fast)

 急行列車です。第3/4列車はこの等級に当たります。スピードは上記特急とあまり変わりませんが、ロシア車両のレベルでいけば、1ランク下の車両が割り当てられるようです。事実第3/4列車のロシア食堂車と寝台車はお古でした。

●Пассажирский(英訳:Pass)

 本来は普通列車と訳すようですが、日本の感覚のような全駅停車ではないので、ここではあえて準急列車と訳します。世界最長時間を走る列車である904列車はこの等級に当たります。つまり、超長距離も走っています。

シベリアを走る他の主な列車

 ロシアの鉄道は半官半民の為、「シベリア鉄道」という鉄道は正式にはありません。一般的にモスクワ=ヤロスラヴリとウラジオストクを結ぶシベリア横断区間の事を、日本では「シベリア鉄道」と指すようです。ちなみに英語では単に「Trans-Siberian」(シベリア横断)と言います。
 「シベリア鉄道」を走る代表的な列車は以下の通りです。(それぞれ奇数が西行(モスクワ方面行)、偶数が東行(シベリア方面行)

●1/2列車(ロシア号):ウラジオストク~モスクワ

 シベリアの看板列車。日本で最も有名なシベリアを走る列車です。隔日運行。特急扱い。日本で、「シベリア鉄道に乗る」と言った場合は、この列車に乗ることを指す場合が多く、日本人他観光客の乗車も多いです。
 ちなみに他の列車番号「1/2」は、以下の通り。いずれもそれぞれの駅の看板列車です。
モスクワ(レニングラード駅)-ペテルブルグ、モスクワ(カザン駅)-カザン、モスクワ(リガ駅)-リガ(ラトビア)、モスクワ(パヴェレツ駅)-ヴォルゴグラード、モスクワ(キエフ駅)-キエフ(ウクライナ)、モスクワ(ベラルーシ駅)-ミンスク(ベラルーシ)

●5/6列車:ウランバートル~モスクワ

 3/4列車と同じダイヤで走ります。5列車は毎週火曜日発、6列車は毎週木曜発。それぞれ所要は4泊5日(5列車)、5泊6日(6列車)。急行扱い。

●9/10列車(バイカル号):イルクーツク~モスクワ

 日本でシベリア旅行に参加する際、もしイルクーツクで宿泊するのなら、モスクワとの移動はこの列車を利用することが多いです。隔日運行。所要3泊4日。特急扱い。

●19/20列車(ボストーク号):北京・平壌~瀋陽~満州里~モスクワ

 中国東北周りで北京とモスクワを結びます。急行扱い。ロシア車による運行。また、この列車に合わせ、平壌との間でロシア車2両が行き来します。瀋陽~平壌間は、北京~平壌を結ぶK27/28次に連結されます。実質的に、朝鮮とロシアを結ぶ唯一の列車。 なお、中国車に比べロシア車の方が暖房の効きが良いらしく、冬は3/4列車よりもこちらの方がオススメという声もあるようです。19列車は毎週土曜日発。20列車は毎週金曜発。北京・平壌より/までの所要はそれぞれ6泊7日(19列車)、7泊8日(20列車)。

●43/44列車:ハバロフスク~モスクワ

 こう見ると、シベリア横断列車は結構走っています。隔日運行。急行扱い。所要6泊7日。

●53/54列車:ウラジオストク~ハリコフ

 ハリコフとはウクライナの都市。何故極東とウクライナを結ぶのかは判りません。急行扱い。隔日運行。53列車は7泊8日、54列車は8泊9日。走行距離9722kmは、定期列車としては世界一の走行距離。名目上は平壌~清津~ハサン~ハバロフスク~モスクワという列車があり、こちらが10,000km以上の長さを走るのですが、最近は運行されていないようです。

※2008年11月後述
 キエフ駅の表示で、季節運行となるのですが「キエフ~ウラジオストク」という列車が運行されているのを確認しています。多分、キエフからの/への1~2両がこの53/54列車にハリコフで併結されて運行されるのだと思われます。上記日数プラス一日の所要が必要な筈です。

●55/56列車(エニセイ号):クラスノヤルスク~モスクワ

 エニセイ河畔の都市クラスノヤルスクとモスクワを結びます。隔日運行。所要3泊4日。特急扱い。

●63/64列車:イルクーツク~ミンスク

 シベリアとベラルーシの首都ミンスクを結びます。モスクワ市内には入らず、モスクワ外周線を通って東西に走るようです。63列車は毎週金曜日発、64列車は毎週日曜日発。所要4泊5日。急行扱い。

●113/114列車:ノヴォシビルスク~ブレスト

 ブレストもベラルーシの都市でポーランドとの国境に位置します。ロシアよりポーランド、ドイツ方面に向かう列車は、ブレストで台車交換をします。この列車もモスクワを経由しません。113列車は毎週火曜発、114列車は毎週土曜発、共に所要3泊4日。急行扱い。

※2008年11月 後述
 ミンスクでこの列車を見ました。ベラルーシ国鉄は青地に白一本線でさわやかな車体ですし、似たような時間に来たモスクワ発ベルリン行がロシア鉄道担当でロシア国旗のトリコロールを巻いて明るい感じがするのに対し、この列車はロシア持ちの昔ながらのくすんだ緑に黄色一本線。相当使い込まれているような車両でした。ロシアの旧来の車両は見るからに「使ってます」という感じで車内照明が暗く、季節によっては景色も寂しいので乗っているだけで落ち込みます。

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