北京~モスクワ 第3/4国際列車

第3/4国際列車-モンゴル・ロシアの車両

 第3/4列車のメインは中国の車両ですが、モンゴル、ロシア国内では食堂車と国内客用の寝台車が連結されます。特に食堂車はそれぞれモンゴル料理、ロシア料理を提供しますので、当列車では居ながらにして3ヶ国の料理を楽しむ事が出来ます。

MECT36(モンゴル車)

MECT36(モンゴル車
MECT36型(チョイル駅)
データ
定員:36名(4名個室 9室。扉付コンパートメントタイプ)
全長:不明
自重:不明
製造年:不明
製造所:不明
連結区間:ザミンウデ~スフバートル

 ロシアとモンゴルで使用される寝台車で、等級的には2等寝台となります。4名1室のコンパートメントですが、中国車に例えれば軟臥と言うよりも硬臥にあたります。モンゴルの車両の色は基本的に社会主義国鉄道共通の緑ですが、この列車に連結される車両については見事なスカイブルーで、他の列車と一線を画します。
 連結区間はモンゴル国内区間で、乗客もモンゴル国内の移動客となります。列車本数の少ないモンゴルですが、当列車のこの車両に乗客は見かけませんでした。

食堂車(モンゴル車)

食堂車(モンゴル車)
食堂車(ズン=ハラ駅)
データ
定員:48名(4名用テーブル左右6台 計12台)
全長:不明
自重:不明
製造年:不明
製造所:不明
連結区間:ザミンウデ~スフバートル

 モンゴル国鉄所属の食堂車です。実を言うと私は利用していないので、詳細はよくわかりませんが、この車両を紹介した写真を見る限りでは、モンゴルの食堂車は概して内装は凝っているようです。食堂車は利用しませんでしたが、食事時になると中国と同じように食堂車発の弁当を売りにきました。モンゴル料理かどうかは知りませんが、肉団子と目玉焼きのかかった御飯は、とても大味できつかったです。どう考えてもモンゴル料理では無いですね。
 深夜の国境駅ザミンウデではモンゴル通貨トゥグリグへの両替が出来ない為、利用には米ドルが必要となります。当然の事ながら超トゥグリグ高のレートでの換算となります。

MECT36(ロシア車)

データ
36名(4名個室 9室。扉付コンパートメントタイプ)
全長:不明
自重:不明
製造年:不明
製造所:不明
連結区間:ナウシキ~モスクワ 1両 ウランウデ~モスクワ 1両

 ロシア国鉄の基幹となる2等寝台車で、中国車に例えれば軟臥と言うよりも硬臥にあたります。殆どの長距離運用の列車に連結されており、日本のシベリア鉄道利用客もこの車両を利用する事が多いようです。第3/4列車でもロシア国内区間利用車用に2両連結され、ナウシキ~モスクワの旅行車は全てこの車両に乗車します。モンゴルの寝台車に比べこの列車のこの車両は利用客が多く、各駅で乗降の光景が見られました。ウランウデ~モスクワ間は他の長距離列車が何本も走っておりますが、私が乗った列車のロシア寝台車の利用率が高そうな所を見ると、シベリアでの鉄道利用は非常に旺盛な需要があるようです。
 ロシアの優等列車では列車ごとにカラーリングを変える事が多いですが、この第3/4列車に連結される車両は社会主義共通色のコミュニストグリーンに黄色一本線です。
 ちなみに北京~モスクワを走るもう一本の列車「19/20列車」はロシア国鉄によるロシア車での運用ですが、「Hard-Sleeper」「硬臥」「2等」と言った場合は、このMECT36の事を指します。

食堂車(ロシア車)

食堂車(ロシア車)
食堂車(イルクーツク駅)
データ
48名(4名用テーブル左右6台 計12台)
全長:不明
自重:不明
製造年:不明
製造所:不明
連結区間:ナウシキ~モスクワ

 ロシア国鉄の上部官庁は勿論鉄道省ですが、食堂車の所管は交通省だと何処かの本で読みました。その出所となる本が手元に見当たらないのですが、もし記憶に間違いが無く本当の話なら、その込入った官僚主義も大したものです。「Newsweek誌 2007年 2月23日号」によれば、ロシアの航空機構は5つに分かれていて、互いの意思疎通がうまく取れていないそうです。
 概してシベリア鉄道の特急(ロシア号やバイカル号など)に当たる列車食堂は、写真を盛る限りこぎれいな内装でなかなかお洒落なのですが、それを期待して訪れたこの列車の食堂車は内装はボロボロでした。ロシアの食堂車は、長距離運用にも関わらず乗客は乗車中の食料をあらかじめ仕入れて乗車するか途中駅で買うかする為、利用率は低いようです。値段も、例えばモスクワの大衆ロシア料理屋(Mu-Muなど)の2倍はする為、一般旅行客には使えと言う方が暴論でしょう。かつて食堂車の問題は国家上層部の会議でも取り上げられることがあったくらい酷いものだったそうです。
 しかし、私の利用した食堂車のスープは絶品で、今まで又以後食べたロシア料理のスープの中で最も美味しかった事は付け加えておきます。

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